【読書記録 vol.1】『図書館の魔女』/ 高田大介著

こんにちは、気まぐれねこです。お久しぶりです✨

長袖解禁からはや一ヶ月半弱。まだ紅葉も終わりきっていないし大丈夫と、たかを括っていたら急に寒くなりましたね。

私は寒がり人間なので、寒くなったことに敏感になって早速、コートを解禁しました。今からコート?早くない?と思われるでしょうが、そんなこたぁない。大体この時期からすごいスピードで寒くなるのです。

しかしこれはまだ第一段階。まだ分厚いジャケットとダウンを温存していますのでご安心を笑笑

 

さて、めちゃくちゃ久しぶりのブログですが、今日はタイトルにある通り、本について。

え?突然?!となるやかもしれませんが、実は、わたくし、気まぐれねこは大の本好きでして。一時期、本を毎日読まない人たちは皆どうやって生きているんだろう、と本気で思っていたことがあるぐらいには読書が好きな人間です。

そんな人間だったので、中学時代、友人から頼まれて、よく友人におすすめの本を教えていました。それを、この前の国語の授業でクラスメイトに好きな本を紹介する機会があったことで思い出し、「ブログで本を紹介しよう!」という流れに。

なので、タイトルに読書記録とかいてありますが、どちらかというと紹介に近いかも…。飽きっぽくて適当な私が心の底から面白い!もう一度読みたい!と思えた作品について愛を語っていきます。シリーズ化していく予定ですので、読む本に困っている方は是非立ち寄ってみてくださいね😊

 

 

前置きがだいぶ長くなりましたが、早速、語っていきたいかと思います…!

記念すべき一冊目の本はこの前、国語の授業でも紹介した、高田大介さんの『図書館の魔女』。

本好きの方や、大人の方、あと、ファンタジーが好きな方におすすめしたい作品です…!

 

 

こう言われると、ファンタジーが苦手な方は「え、ちょっと…」となってしまうかもしれません。ですがご安心を。この本には一切、ファンタジー要素(魔法や剣、エルフなど)は出てきません!!

え??題名に「魔女」って書いてあるのに??魔法出てこないの??ってなりますよね。私も始めはなりました笑笑

だって、普通、あらすじに「ファンタジー作品だよ」って紹介されていたら、魔女って書いてあるし魔法出てくんのかな、と思うじゃないですか。でも、読めども読めどもそんなものは出てこない…最初はあれぇ?と思いました。

けれど、読めばわかりますが、どこからどう見てもこの小説はファンタジー小説なんですよ。もう、目から鱗。ファンタジー好きの私としては、ファンタジー要素がなくたってファンタジーじゃないわけじゃないんだ、とびっくりしました。だからファンタジー好きには絶対にこれを読むことを勧める。

 

あらすじはこんな感じです。

主人公は、文字が読めないが身体能力が異常に高い少年・キリヒトと声を持たない少女・マツリカ。キリヒトは王宮からの命令で、図書館に住み「魔女」と恐れられるマツリカに仕えることとなります。初めて見る図書館や、マツリカの聡明さに圧倒されながらも、段々とキリヒトはマツリカと仲良くなっていく。だが、2人はやがて、世界を巻き込む陰謀に巻き込まれていって…。

ファンタジーといいつつ、ちょっとミステリー要素も入ってますね。

 

この本の何が面白いって、まず設定。

ファンタジー要素がないことはさておき、そもそも舞台が図書館であること。しかも、主人公の1人であるキリヒトは文字が読めない。え、図書館なんで来たん、って感じになりますよね。

しかも、もう1人の主人公・マツリカは言葉を巧みに操って策略を巡らすために「魔女」と呼ばれているのですが、声を持っていない。もうこの時点で、すごく気になって、私はこの本にハマっていきました。

そして、この作品の裏テーマとも言える「言葉」についての考え方。

声が出せないマツリカは、名前を呼べないため、人々を指を鳴らした時の音の高低で「名付け」ます。そして、「名付け」た時点でそれはもう「名前」で意味を持った「言葉」なのだと。…た、確かに。となりますよね。確かに、意味を持って通じた時点で、それは言語だ。おぉ〜面白い!とここで本格的にハマりました笑笑

私が一番好きなのは図書館を説明するシーン。

 

 ーーどんな市場の喧騒にもまして、図書館には言葉が渦巻いている。想像を絶する量の言葉は、あまりにも膨大に集まってしまったがために互いにせめぎあい、押し拉ぎあって、そうしてかろうじて均衡をたもちつつ、ここ図書館の沈黙を形づくっていたのだ。言葉と言葉とが相克し、葛藤し、緊張にたぎっている沈黙、誰もが発言の機会を持っている緊迫した議場のように、もし小さな蟻の一穴でもあればそこから言葉あふれ出てくるだろう。図書館の沈黙は、言葉に充ち満ちた沈黙だったのだ。

                             

ちょっと小難しくて長いですが、きっと本好きの方だったらわかるはず。

図書館のあの沈黙、ちょっと背筋が伸びるような緊張感と胸に重くのしかかるような重厚感。図書館に行った時にこんな感覚になった方がいると思います。

他にも、この本には、そんな、本好きだったらわかるであろう感覚が時折出てきます。例えば、「本を読んでいるときには話しかけてはいけない」。

うゎ…!ほんとにそれな!!と私はこれを読んでヘドバンしました笑笑。是非、全員に徹底させてほしい教育です。

 

私は、この本に中学生の時に出会いました。欲しいものがなくて、サンタさんに「面白い本を下さい」って頼んだんです。そうしてクリスマスの日、枕元に置かれていたのがこの本。

でも、当時の私はまだまだ子供で、表紙とあらすじを読んで「なんだか思っていたのと違う…」と思って、半年間もの間、ずっと読まずに敬遠していました。やっぱりシンプルな表紙だと、それだけで小難しそう、って思うし真面目そうな本だな、と思ってしまうじゃないですか。

実際、すごく難しかったです。作者の高田さんは言語学者の方なんだそうですが、そのお陰か、知らない単語や漢字ばっかり。見開き1ページ読むごとに、5個ぐらい知らない単語が出てきたんですよ🤣

言っていることも深いし難しくて、理解するのに時間がかかることもありました。

だからこそ、私は大人の方にこの本をお勧めします。中学生でも楽しく読める本だとは思いますが、長いし難しいので、この本の本来の魅力は伝わりにくいかもしれないかもしれないからです。あと、この本で語られている「言葉」の凄さは色んな経験をしてきて、社会を見てきた大人だからこそ、分かるのでは、と感じます。

 

でも、この本を読んでよかった。サンタさんありがとう。半年間も面白くなさそう、と思って読んでなくてごめんね笑笑

本の紹介にしては随分長文になってしまいましたが、是非是非、気になった方は手にとって読んでみてください。それでは今日はこの辺で。